2.法律の概要
(1)対象となる団体
この法律に基づいて、特定非営利活動法人になれる団体は、次のような要件を満たすことが必要です。
(2)法人の管理・運営
役員
- 法人には、理事3人以上及び監事1人以上を置かなければなりません。理事は法人を代表し、その過半数をもって業務を決定します。役員になれる人については、親族の数の制限など法律で一定の制限が設けられています。
- 親族の数の制限:法人の役員総数が6人以上の時は本人以外に配偶者及び三親等以内の親族の中から1人は可、5人以下の時は誰も含まれてはなりません。
- 役員の欠格事項:法第20条に掲げられた者は、役員になれません。
総会
- 法人は、少なくとも年1回、通常総会を開催しなければなりません。
その他の事業
- 法人は、特定非営利活動に係る事業に支障がない限り、その収益を特定非営利活動事業に充てるため、その他事業を行うことができます。この場合、その他事業に関する会計を特定非営利活動に係る会計から区分しなければなりません。
会計原則
- 法人は、予算に基づき、また、正規の簿記の原則に従って会計簿を記帳するなど、法第27条に定められた原則に従い会計処理を行わなければなりません。
定款変更
- 定款を変更するためには、所轄庁の認証が必要です。ただし、軽微な事項(所轄庁の変更を伴わない事務所の所在地の変更、資産に関する事項および公告に関する事項など)については、所轄庁の認証は不要です。
なお、この場合には、定款変更後に所轄庁に届け出ることが必要になります。
解散・合併
- 特定非営利活動法人は、総会での議決・所轄庁の認証等の一定の手続きを経て、解散又は別の特定非営利活動法人との合併を行うことができます。
法人が、解散する場合、残余財産は、定款で定めた者に帰属しますが、その定めがない場合は、国又は地方公共団体に譲渡するか、最終的には、国庫に帰属することとなります。
監督等
- 所轄庁は、法令違反等一定の場合に、法人に対して、報告を求めたり、検査を実施し、また、場合によっては、改善措置を求めたり、設立認証を取り消すこともできます。また、特定非営利活動促進法に違反した場合は、罰則が適用されることがあります。
特定非営利活動法人を設立する場合のチェックリスト
目的に関する要件 | 団体の主な活動が、NPO法第2条第1項別表の12項目の特定非営利活動のいずれかに該当しています。 |
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団体の主な活動が、不特定かつ多数のものの利益の増進に寄与することを主たる目的としています。 | |
営利を目的としていません。 | |
特定非営利活動に係る事業に支障が生じるような収益事業は行いません。 収益事業を行った場合は、その収益は、特定非営利活動に係る事業に充てます。 |
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宗教活動を主たる目的としていません。 | |
政治活動を主たる目的としていません。 | |
特定の公職の候補者若しくは公職にある者又は政党を推薦、支持、反対することを目的としていません。 | |
特定の個人又は法人その他の団体の利益を目的として事業を行いません。 | |
特定の政党のために利用しません。 | |
団体に関する要件 | 暴力団ではなく、暴力団若しくはその構成員の統制の下にある団体でもありません。 |
社員に関する要件 | 社員(総会での議決権を有する者)の資格の得喪に関して不当な条件を付けていません。 |
社員が10人以上います。 | |
役員に関する要件 | 報酬を受ける役員の数は、役員総数の1/3以下です。 |
最低限、理事3人、監事1人がいます。 | |
法20条に定める、役員の欠格事由に該当する者はいません。 | |
各役員について、その配偶者若しくは三親等以内の親族は2人以上いません。 また、各役員並びにその配偶者及び三親等以内の親族の数は、役員総数の1/3を超えてはいけません。 具体例(この法人の理事と監事の人数の合計が5人以下ですので、役員の配偶者及び三親等以内の親族は、だれも理事または監事には就任しません。) |
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理事または監事はそれぞれ、定数の2/3以上います。 | |
会計に関する要件 | 会計は、法第27条に規定する会計の原則に従って行います。 |